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原題 有料到/皇家綫民
英題 High Price
邦題 ヤング・ブラッド 〜父子鷹〜
監督 門見隆(門岳廷)
 1979年 香港映画

前回の『地獄無門』で、すっかり得した気持ちになったので、日本で発売された映画を紹介しようと思います。
一連の【G1香港電影 ゴールデンセレクション】を!
かれこれ2、3年前に発売されたこのシリーズ
ラインナップがそれはそれは素晴らしくてね。賞賛の声がアチコチで聞こえていたんですよ。
このチャンスを逃せば、多分二度と手に入らない作品ばかりだろうと判断し、入手→塩漬け。

 まずは谷峰(クー・フェン)主演のこの映画から。

DVDのパッケージに
「リタイアした親父達が活躍する 異色のサスペンスアクションムービー」って心躍る一文があったからさ(笑)
アマゾンの商品紹介ページは (新品で既に1000円切ってます(泣)悲しいが、買うなら今だ!)

(株)ラインコミュニケーションさんは凄いと思う。儲からないジャンルなのにさ。ありがとう!

あの時は、香港映画の発売が凄かったね。キングレコードさんのシリーズがキッカケになったんだろうな。
必殺のダブルドラゴン/識英雄重英雄』を発売した日本メディアサプライ(株)さんには足向けて寝られません。
アマゾン紹介ページ (既に新品で半額以下に値崩れしているのが悲しい)

息切れしないように頑張ろうっと
 導演 『懲罰』の監督さんでもあります


餐廳(レストラン)

負傷した銀行強盗の一味が逃げ込む
犯人を捜す警官の態度に腹を立てた程小龍(ロニー・チン・シウロン)
思わず李恆(リー・ハン)を庇う

レストランの裏の路地で二人は別れる・・・

難航する捜査

手に入れた暗号も解読不能。 窮地に立たされる警察

ここで引ったくりにあったご婦人が登場する
刑事が被害届けを出すように進言しているのだが、
「たかが20ドルですから、諦めます。」と、届けを出さない。
 うーん(悩)

親父は情報屋を使いたい

敏腕刑事だった父親(呉業光)は、息子の出世の為に一肌脱ぐ。
金を出して情報を買うのはご法度だと息子は反対。


この映画、あんまり情報なくてさ。
アチコチで調べてみたけど、俳優さんの名前がサッパリ。
全員バッチリわかるぜ!って人が心底羨ましい。


贈り物

ロン(程小龍)には大切な恋人ウェンがいた。
彼女は昼間は店員として働き、夜は学校に通う真面目な娘。

ロンが彼女に贈った指輪を、なんと売ってしまったと言う。
そこまで困窮しているのかと彼は尋ねるが・・・
贈った指輪は、父の車椅子に姿を変えていた。
オヤジはニッコニコ(笑)
かなりつまらない想いをする息子。

訳を知り、悪い事しちまったなぁ・・・と思ったに違いない

犯行を重ねる李恆たち学聨社(がくれんしゃ)
銃撃戦で入院中の仲間、李發源(リー・ファッユェン)の家族に毎月金を届けたりしているので
わりと大きいしっかりた組織なのだろう。


わしはヤマネコ
元凄腕捜査官だったヤマネコ氏(呉業光)は、息子の為に元情報屋に会う。

元情報屋の谷峰も、息子の為に情報提供を断るのだった。

ヤマネコ氏、いくら息子の為と言えども、静かに暮らす谷さんを脅すなんて。
ちょっと、いや、かなり卑劣。


動揺したオヤジ、深酒

帰宅した息子が心配し、あれこれと訊ねる。
谷峰は重い口を開くと、隠していた自分の過去を語りだすのであった。
テーブルの上の豆の殻が哀愁を誘う。
かなりの時間飲んでいたんだろう。


ワルだったオヤジ
息子と妻が香港に来る前は、刑務所にも入った事があるオヤジ
警察の厄介になっている間にヤマネコと知り合い、情報屋となった。
巨額の麻薬取引の情報を仕入れ、ヤマネコに売る。 急襲作戦は成功。
オヤジはそれで数万ドルの大金を手に入れた。


たまたま通りかかった知人に送ってもらったのが、後日組織に知られ報復を受けた。
左膝から下を鉈でバッサリ(汗)
慰める優しい息子
だが、母親が出て行ったのも、オヤジが情報屋だったからだ。
今はひっそりと暮らしていたのに、亡霊のように湧いて出るヤマネコ
オヤジ、蟻地獄でもがく


気が散る(笑)
画面手前、もの凄く楽しそうに泳ぐオジサン(話に関係ない)
学聨社(がくれんしゃ)の内部でも分裂が起こっているから、
早いトコ情報屋を使わないとな!という大事なシーンなのに。



気が散りついでに・・・

このDVDは普通話バージョン。
そんで、タイトルに『皇家綫民』ていう別バージョンの題名が使われている。
BGMから推測して、1987年以降に音声トラックは作られているはず。
なぜなら『ロボコップ』のBGMが使用されているから。

『皇家綫民』という題名のビデオパッケージを見た事があるので、
ビデオ版は多分普通話で、このDVDの元になったバージョンなのではないかしら?

きっと、広東話版はもう残っていなかったんだろうな。聞きたいなぁ。

それにしても!
ラインさんが、何故この映画をシリーズに加えたのか、すげー知りたい。
そんで、このシリーズの担当者さんの、香港映画について思う事を聞きたい。
面白そうだし勉強になりそうだ。


更に強引に迫るヤマネコ

しつこくやって来るパイプオヤジ。 もうそっとしておいてあげて!
すべてを話したおかげで息子も加勢してくれた。
この時、突然やってきた女房に罵声を浴びせられ、過去の自分を呪うオヤジ。切ない。

悲しいね。過去はどんな事をしても書き換えられない。

 

広州にいた頃の婚約者

ウェンの元婚約者が香港に現れ、彼女は彼との結婚を決めた
おまけにカナダに移住しちゃうんだって
驚く程小龍。 現れた男を見て更に驚く。
庇ってやったあの強盗、李恆ではないか!! 

闇雲に殴りかかってみるものの李恆の方が断然強い。
悔しさを胸に帰路につく息子

警官の息子は、違法な手段は使いたくない
だが、部下も父親も手段を選ばない。
かといって事件を解決させない訳にはいかず、頭を抱える。
結局オヤジ達に流されてんじゃん。ケッ


オヤジさん大怪我

松葉杖で階段を登っていたオヤジが、何者かに突き落とされた。
その上、車椅子まで投げつけられて。 非道!
階段の踊り場で父親を発見した程小龍、ヤマネコの元に走るが
暴力警官と老獪なヤマネコに反撃されるのであった。

いやー、卑劣。 
私はオヤジ達が協力して、もう一花咲かせえるゾ!と張り切る楽しいストーリーを想像していた。
だもんで非常に戸惑っている。 ついていくの大変(汗)

次なるターゲット

ブリーフケースを手錠で繋いだ宝石商の・・・
カッココイイ!鹿村さん!(惚)
いつも怖い顔ばかりだけど、笑うと優しそうだよねー♪

商談成立かと思われたその時。
「掃除でーす」
だけど、軽食を乗せたワゴンを押していたので
多分広東語版では「ルームサービスです」なんだろうな。

残念ながら、鹿村さんはダイヤを奪われてしまった。
ゲスト出演なんだけど、ここのアクションが一番良かった気がするよ。


麻薬の不法所持で身柄拘束
勿論真面目な息子は悪事に手を染める筈もなく。
警察に陥れられたのです。



息子を助ける為に、李恆の情報を漏らす谷峰
「車椅子を買ってくれた、あの心優しい娘を騙すなんて!俺は!」と苦しむ。
この映画の谷峰は苦悶の表情がばっかりで、見ていてつらい。
 おおおー!


すごく上手いよ、この人はやっぱり素晴らしい俳優さんだわ〜


『Re-Animator/死霊のしたたり』のテーマ曲、結構合ってるんだよな。
ジャンル違うのにな


無罪放免

暴力刑事の鶴の一声により、釈放された息子
「あの包みはただの痛み止めだった」だとさ

お祝いのご馳走が並ぶ食卓、特別にお酒も楽しむ。
そこに、すっかり憔悴したウェンが現れる。

李恆が警察から戻ってこないのは、オヤジが彼を売ったから。
彼女から事情を聞いた程小龍
自分の釈放と引換えに、ウェンを騙したオヤジを責める。

李恆とウェンを助けたい息子。
だが、彼らを助けると仲間が復讐するに違いない。

良い方法は?

彼の仲間が全員逮捕される事。

ヤマネコに交渉

暗号の解読方法はウェンが知っていた
その情報を持って、ヤマネコに会いに行くロン
老獪なジジイ相手に、落ち着き払った態度で交渉を進める
清掃員にしておくのはもったいない。

条件は、李恆を釈放する事。二人を出国させる事。

パイプオヤジも、自分の息子の手柄になるのだから断る訳は無い。

出国
空港で一同顔を合わせる
李恆に礼を言われた程小龍だったが「オヤジの借りを返しただけだ」と一丁前な口をきく。

「お前だけでなく、我々も助けてくれる。」という息子刑事の言葉で
自分の身と引換えに組織が潰される事、何となくわかったんじゃないかな。
何かに気付いたようなそんな顔してた。

一網打尽

暗号を解読し、全員の連絡先を掌握
そして一斉検挙
警察の追跡の手からは逃れられる者は皆無であった!

 

  劇終!

って、チョトマテー『導火線』の鄭則士風に)

最後、時間が足りなかったのか?
それともこのバージョンはカットしてあるのか?
いきなりブツリと終了した感じなのですよ。
何だか不思議な終わり方だわー
例えて言うなら、『龍拳精武指』のラスト並に唐突に終ったわー(汗)

ちょっと重苦しい題材だよな。
過去に足をすくわれるオヤジの苦悩だもん。
やり方は汚いけど、ヤマネコも子供が大事なだけだし。

もしかしたら、カナダに行った彼らも子を持って、自分の過去に苦しめられるのかも。
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